何故東筑ボート部は強豪で有るのだろう。

私の母校。福岡県立東筑高校進学校

 

 

今日、ボート部のOB会がありました。私たちの代は浪人してる人が多く、2人しか来れませんでしたが。知ってる人が5~6人しかいなくて、完全アウェイでしたね。

 

広島にいると分からない情報がたくさん入ってきました。女子2人乗りで1年生2年生コンビが全国出場を勝ち取ったそうです。1年生は化け物だそうで。

 

 

私は常日頃思っていたことがありました。

 

 

東筑は何故強豪であるのだろう」

てね。ここはあまり良い環境ではないですから。これからいくつか列挙します。

 

 

あ、その前に、ボートの説明しなきゃ...知名度あまりにも低いからね。

 

動画は18年のインハイ決勝戦。上手く貼れてたらね。

 

YouTube

 

 

中はこんな感じ。靴は固定でシートが動く仕組みで、基本足で蹴って漕ぎます。画像は桑野造船4x+規格艇より。


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高校ボートは4人漕ぎ、2人乗り、1人乗りの3種目があります。コースは2000mか1000mの直線、インハイや国体は1000mです。

 

 

さて、本題。

 

 

 

 

良くない環境①     進学校

 

東筑高校という名は、ここら辺では大変強い意味を持ちます。この周辺最強の公立高校ですから。これは奢りではありません。中学の時、私たちは東筑以外に興味がありませんでした。ここより偏差値の高い私立高校も滑り止めにされます。

 

 

この高校は文武両道を掲げます。九大が大好きなので、勉強に力を注ぎます。練習は2~3時間と、他の高校より短くなります。野球部も、ラグビー部もそんな感じです。

 

TwitterInstagramを見ていると、自分たちの練習時間が如何に短かったのかを思い知らされます。ランクアップとか行ってみたかった。

 

 

 

良くない環境②      金銭面

 

高校ボートの大会のうち、九州大会までは自前の艇で勝負します。九州の強豪校はお金持ちが多く、高級艇でやって来ます。国体予選の4人乗りは福岡選抜以外が高級艇だったそうです。私たちは、規格艇というやつ。

靴だけで4秒変わるとも言われる世界です。1秒が大きな差になるボートで、艇も、靴も、オールも...

 

ちなみに、OB会は去年から活動を始めたそうで、会費も全然集まらない、って言ってました。他のとこはそんなのあるのかな。

 

 

 

良くない環境③    環境面

 

ボートの試合は1000m,2000mの直線勝負です。練習中もその環境に近い方が望ましく、大抵の練習場で試合ができます。横も4レーンほど欲しいな。

が、私たちの瀬板は直線500m,曲げてようやく1000m。レーンも2つ。また、艇の倉庫も古く小さく、本当にごくわずかの艇でやってます。野ざらしになるものも多く、ボロボロで虫も湧きます。倉庫は在学中に更衣室が崩落しました。

 

ただし、ここは高校からそこそこ近く、毎日練習できます。広大など、遠すぎて毎日水上に出れないチームもあります。

 

 

良くない環境④   ボートの人気

 

 

東筑は部活動も盛んです。野球部は最近甲子園に行き、ラグビー部も強豪、それ以外にも九州、全国大会に進む部は多いです。

 

ボートは福岡県において人気が低く、ほぼ誰も知りません。新入生もボルダリング部など、楽しそうな他の部に流れていってしまいます。ボートとラグビーはキツいヤバいと烙印を押されました。(ボートも楽しいよ!)

 

 

次はいい所を。

 

 

良い環境①     トレーニング室の充実

 

10年前、新しくトレーニング室が出来ました。ベンチプレス台5~6個、スクワットラック3つなど、公立とは思えぬ豪華な内容です。野球部、ラグビー部などの盛んな部活動の恩恵を受けています。

 

 

良い環境②    頭脳力

 

やはり練習中、試合中と、集中力がものを言います。比較的集中力の高い人が多いのでしょうか。

 

 

 

良い環境③     自由な雰囲気

 

 

私たちの代から強化した事として、上下関係の撤廃がありました。一応敬語は残ったものの、上も下も男も女も関係なく過ごす環境を作りました。その結果、情報など浸透しやすくなり、団結力も上がりました。

 

また、監督が厳しい人ではないのも、そんな雰囲気を作った要因でもありました。凄い先輩に気軽に聞きに行けたり、バスの中でみんなでバカ騒ぎしたり。監督自身、遠征先で潰れたり滅茶苦茶な人でもありましたし。

 

 

 

 

以上を踏まえて。東筑の強み。

 

1つ目は、充実したトレーニング室での冬トレ。毎年冬が開けると、私たちは何故か見違えるほどに強くなります。元々勉強しに入った人間ですので、パワー不足になりがちです。それを冬の間に鍛え、着実な伸びで夏を迎えます。

 

 

2つ目は、効率よく集中しきった短時間練習。練習は一応決められてはいるものの、理由があれば変更も可能で、自分に合った練習ができます。また、個々の選手の頭の良さや集中力の高さが、短い時間で多くの成果を得る手助けになるのでしょう。(正直集中力の切れた練習は無駄でしかないです)

 

ただし、超強豪の圧倒的な量には敵いません。日本代表など、突出した選手が出にくいのも、この根性に頼らない集中力勝負が故でしょうか。

 

 

3つ目は、戦略。1000mや2000mの中でも、スパートをかけたり、コンスタントで粘ったり、と色々な作戦があります。また、4人漕ぎの種目には1人舵手がつき、選手に指示を送ったり、自艇や他の艇を煽ります。そんな心理的、体力的駆け引きを得意とするのも、強みでしょうか。

 

 

4つ目は、チーム力です。東筑は2人乗りや4人漕ぎの種目を得意とします。1人乗りの種目もありますが、あまりいいイメージがありません。もちろんそれは、1人乗りの艇をほとんど持ってないのもありますが。

足りない力を、チームの結束力で補う。去年のインターハイ予選はこの勝ち方でした。

 

 

 

だから、強い。だから、勝てる。決していい艇はないけれど、

 

以上、かな。

 

 

 

勘違いしてもらってはアレなので言っておくと、

 

私は東筑ボート部史上1番ボートに向かなかった人間です。

 

運動神経も悪く、何より水が怖い。2年生の夏まで1人乗りに乗れず(体が膠着して)、2人乗りではバランスを崩し、2000mでは貧血でガス欠を起こす問題児でした。4人漕ぎの1000mが唯一の職でした。

 

 

そこで輝けたのは無論

 

支えてくれた115、116期の先輩、

応援してくれた118、119期の後輩、

そばに居てくれた117期、

時間を見つけて練習に来てくれたOBの先輩のお陰ですね。


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センターまであと数週間。頑張れ。そしてあわよくば広大に来て。